インフルエンザにマスクは効果なし?!厚生労働省担当者が言っていることとは?
目次
インフルエンザにマスクは効果なし?!
インフルエンザが流行しているようですね。
国立感染症研究所によると、推計の患者数は全国でおよそ283万人となり、前の週より112万人増えているそうです。
インフルエンザにかかると、関節が痛くなったり高熱が出て苦しいですし、職場や学校に影響がないよう長期に休むことにもなりかねませんから、できるだけ感染しないようにしたいものです。
ところで、インフルエンザにかからないように予防する方法として、マスクの着用というのは誰もが頭に思い浮かぶ方法ですが、このことに関して産経ニュースが先日発表した記事が波紋を呼んでいるようです。
タイトルは「インフル予防にマスクは「推奨していない」厚生労働省」という記事です。
問題の部分は下記のとおり
厚生労働省は、体調に不安がある場合は人混みを避けるほか、外出後は手洗いとうがいをするよう呼びかける。一方、マスクをすることは「感染拡大を防ぐのに有効だが、自分を守る手段としては推奨していない」(同省担当者)
http://www.sankei.com/life/news/180126/lif1801260043-n1.html
私も「えっ…そうなの?」って思いました。
ホントにマスクしてもインフルエンザの予防効果はないのか気になったので、「インフルエンザQ&A」という厚生労働省のサイトで確かめてみました。
インフルエンザの予防・治療について厚生労働省「インフルエンザQ&A」より
【インフルエンザの予防・治療について】
Q.9: インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?
インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。1) 流行前のワクチン接種
インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されており、日本でもワクチン接種をする方が増加する傾向にあります。【インフルエンザワクチンの接種について】を参照
2) 飛沫感染対策としての咳エチケット
インフルエンザの主な感染経路は咳やくしゃみの際に口から発生される小さな水滴(飛沫)による飛沫感染です。したがって、飛沫を浴びないようにすればインフルエンザに感染する機会は大きく減少します。
たとえ感染者であっても、全く症状のない(不顕性感染)例や、感冒様症状のみでインフルエンザウイルスに感染していることを本人も周囲も気が付かない軽症の例も少なくありません。したがって、インフルエンザの飛沫感染対策としては、(1) 普段から皆が咳エチケットを心がけ、咳やくしゃみを他の人に向けて発しないこと
(2) 咳やくしゃみが出るときはできるだけマスクをすること。とっさの咳やくしゃみの際にマスクがない場合は、ティッシュや腕の内側などで口と鼻を覆い、顔を他の人に向けないこと
(3) 鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時はすぐに手を洗うことなどを守ることを心がけてください。
特に感染者がマスク等の飛沫感染対策を行うことが重要です。
3) 外出後の手洗い等
流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。4) 適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。5) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。6) 人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザが流行してきたら、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。※不織布製マスクとは
不織布とは「織っていない布」という意味です。繊維あるいは糸等を織ったりせず、熱や化学的な作用によって接着させて布にしたもので、これを用いたマスクを不織布製マスクと言います。
site:http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
調べてみたところ、インフルエンザの予防について、マスク着用に関する部分(黄色でマーク)がありました。
ここで、確認ですが、インフルエンザの感染経路には、感染者のせきやくしゃみで飛んだウイルスが口や鼻などの粘膜に直接触れて感染する「飛沫感染」と、ウイルスのついたドアノブなどを触った手で口や鼻に触れることでウイルスに感染する「接触感染」があります。
マスクを着用することは主に「飛沫感染」の防止効果があるということです。
「インフルエンザQ&A」によれば、「感染者がマスク等の飛沫感染対策を行うことが重要です。」とありますから、感染者が飛沫感染対策としてマスクをすることを推奨しています。
つまり、インフルエンザにかかったらたらマスクをして、せきやくしゃみでウイルスを飛ばさないようにして、感染拡大を防ぎなさいということですね。
じゃぁインフルエンザにかかっていない人がマスクをすることは、感染を予防する効果はないのか?
というと、そうでもないようです。
「ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます」とありますから、ある程度の予防効果はあるということですね。
なんで、こんな言い回しになるんでしょう?
調べていくと少しづつわかってきました。
それは、不織布製マスクにも5マイクロメートル(5/1000ミリメートル)の小さい穴が空いているからです。
ところが、ウイルスの大きさは0.1マイクロメートル(1/10000ミリメートル)で、マスクの網目よりずっと小さいために中に入るというわけですね。
- 不織布マスクの穴:5マイクロメートル
- ウイルスの大きさ:0.1マイクロメートル
でも厳密に考えれば、飛沫したウイルスが、マスクの穴ではなく布にとどまることもあるわけですから、マスクをしないよりはマシでしょうね。
それに、マスクを着用することによって息がこもるなど、口元の加湿効果が期待できます。
ウイルスは湿度が高いと生存時間が短くなるので、口元の湿度を上げておけば、いくらか効果があるということです。
厚生労働省が「マスクをすることは「感染拡大を防ぐのに有効だが、自分を守る手段としては推奨していない」」ということをまとめると、
感染者がマスクをすることで、飛沫感染の防止に効果がある。
感染してない人がマスクをしても、ウイルスはマスクの穴よりも小さいために、マスクを透過してしまうので防げない。
しかし、マスクを着用することによって、口元の湿度を上げておけば、いくらか効果がある。
つまり、推奨するほどではないけど、ある程度の効果はあるということですね。
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インフルエンザの予防方法
それではインフルエンザにかからないよう予防するにはどうしたらいいのか?
ある研究で、「マスク着用と手洗いの両方をした群」と「両方しない群」と「マスク着用のみの群」を比較したそうです。
その結果「マスク着用と手洗いの両方をした群」は「両方しない群」と比べてインフルエンザの症状の人35~51%に低下したそうです。
ところが、「マスク着用のみの群」については顕著な低下が認められなかったそうです。
このことからすれば、手を洗うことが効果が高いということですね。
もちろん、マスクもしたほうがいいでしょう。
また、うがいも賛否両論ですが、水道水によるうがいをすることによって、しない場合に比べて風邪の発症率を40%抑えたという研究結果もあるそうです。
やはり、昔から言われているように「手洗い」と「うがい」は予防効果が高いんでしょうね。
やれば、ある程度ウイルスを洗い流せるでしょうからね。
インフルエンザの予防方法で推奨されているのはまとめると以下のとおりです。
- 流行前のワクチン接種する
- 外出後の手洗い・うがいを徹底する
- 流行期は人混みを避ける
- 部屋の湿度を保つ
- 栄養と休養をとり、無理をしない
普段からできるだけ気をつけて、インフルエンザに感染しないよう予防しましょう。
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