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高齢者が寝たきりになる原因第一位を厚生労働省の調査から考えてみた

公開日: : 最終更新日:2020/01/27 健康 , , , , ,

目次

50代ともなると老後の生活が少しずつ見えてきます。

老後をいかに楽しく過ごせるかは「健康」であることが大きな要因の1つです。

日本人の平均寿命は年々延びている傾向にあるとはいえ、寝たきりになってしまっては楽しい老後生活を送れるとは限りません。

老後生活になっても、旅行をしたり趣味を楽しんだりして楽しく過ごすには、自力で歩いたり生活できることが重要です。

そこで今回は、高齢者が寝たきりになる原因にはどんなもがあって、寝たきりを予防するにはどうしたらいいのかを考えてみました。

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平均寿命と健康寿命

平均寿命が延びたからといって、いつまでも健康過ごせるとは限りません。

そこで老後生活を楽しく過ごすために参考としたいのが健康寿命です。

健康寿命とは、日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間のこと。

つまり、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間ということです。

平均寿命は厚生労働省が2016年に発表したところによると、男性が80.79歳、女性が87.05歳です。

健康寿命については平成25年(2013年)のデータ、男性が71.19歳、女性が74.21歳が現時点では最新のようですので、

平均寿命も平成25年のデータ男性が80.21歳、女性が86.61歳で比較してみます。

平均寿命と健康寿命を比較してみると、介護に依存することを余儀なくされる期間が見えてきます。

つまり、平均寿命から健康寿命を引いた差が、介護に依存せざるを得ない可能性が高い期間ということになります。

 

平均寿命と健康寿命の差

これによれば、介護に依存せざるを得ない可能性が高い期間は男性が9.02年、女性が12.40年です。

わりと長期間、介護のお世話になるかもしれないということですね。

では、介護のお世話にならないようにするにはどうしたらいいのか?

参考となる資料に、厚生労働省が発表した「平成25年国民生活基礎調査」があります。

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要支援・要介護になった原因 厚生労働省「平成25年国民生活基礎調査」

この調査は全国の無作為抽出した約30万世帯から、抽出したデータです。

その中の約7千人の要支援者及び要介護者から「介護が必要となった主な原因」について調べています。

介護が必要となった主な原因として、1位が脳血管疾患(脳卒中)、2位が認知症、3位が高齢による衰弱と続きます。

 

介護が必要となった主な原因

介護が必要となった主な原因

要支援・要介護の違い

ちなみに、介護必要な人とは下記のように、介護保険の基準で、要支援・要介護の状態になった人のことです。

区分 状態の目安 適合する人
要支援1 食事や排泄など身の周りのことは、ほとんど自分でできる状態 介助が必要だが、比較的自立した生活が出来る人
要支援2 身の周りのことや日常生活に一部支援が必要だが、介護予防サービスなどの支援があれば状態の維持・改善が見込まれる状態
要介護1 日常生活はおおむね自立しているが、排泄や入浴などに一部介助が必要。立ち上がりや歩行がやや不安定で支えが必要な状態 日常的に介助が必要な人
要介護2 食事や排泄、入浴、衣類の脱ぎ着などに一部または多くの介助が必要。立ち上がりや歩行に支えが必要な状態
要介護3 食事や排泄、入浴、衣類の脱ぎ着などに多くのまたは全面的な介助が必要。立ち上がりや歩行が自力では困難な状態
要介護4 日常生活全般で能力の低下が見られる。食事や排泄、入浴、衣類の脱ぎ着などに全面的な介助が必要。立ち上がりや歩行は困難で寝たきりに近い状態。認識力、理解力などに衰えが見られ問題行動をとることもある
要介護5 日常生活全般に渡り、全面的な介助が必要な状態。立ち上がりや歩行はできない寝たきり状態。認識力、理解力などに衰えが見られ問題行動をとることもある。意思の伝達が困難なこともある

要支援のうちは外出もでき、旅行など楽しめそうですが、要介護になると困難になってきそうです。

そして、要介護4あたりになると、寝たきりの状態に入ってきます。

参考までに寝たきり度ランクもあります。

寝たきり度ランク

生活自立 ランクJ 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独力で外出する
1. 交通機関等を利用して外出する
2. 隣近所へなら外出する
準寝たきり ランクA 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない
1. 介助により外出し、日中はほとんど寝台から離れて生活する
2. 外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている
寝たきり ランクB 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中も寝台上での生活が主体であ
るが、座位を保つ
1. 車いすに移乗し、食事、排泄は寝台から離れて行う
2. 介助により車いすに移乗する
ランクC 1 日中寝台上で過ごし、排泄、食事、着替において介助を要する
1. 自力で寝返りをうつ
2. 自力では寝返りもうてない

高齢者が寝たきりになるキッカケには、主にどのようなものがあるか調べてみました。

高齢者が寝たきりになるきっかけ

  • 体の麻痺
  • 骨折のため動けない
  • 関節痛や腰痛
  • 治療のため長期間寝込む
  • 風邪をひいて寝込んでしまう

これを見ると、介護が必要となった主な原因と高齢者が寝たきりになるキッカケとリンクしたところがあると感じます。

体の麻痺は脳血管疾患(脳卒中)から、骨折のため動けないは骨折・転倒、関節痛や腰痛は関節疾患、治療のため長期間寝込むは悪性新生物(がん)などの疾病、風邪をひいて寝込んでしまうも肺炎など呼吸器疾患に発展したり、高齢による衰弱で寝込んでしまったり。

これだけの原因ではないで様々な要因が関係してくるでしょうけどね。

 

それでは、要支援・要介護、ひどい場合は寝たきりにならないためにはどうすればいいのでしょう?

高齢者が寝たきりになるのを予防するには?

順天堂大学大学院教授・白澤卓二氏が「健康寿命を延ばす10の習慣」としてまとめたものがありました。

 

健康寿命を延ばす10の習慣

  1. 食事は1日3回、朝食を抜かない
  2. 魚を積極的に食べる
  3. 「べジフル7」(野菜5皿+果物2皿)
  4. 抗酸化物質を取り入れる
  5. お酒を飲むなら赤ワイン
  6. 腹八分目でカロリー制限
  7. 定期的、継続的に体を動かす
  8. 情報をアウトプットする
  9. ストレスは毎日解消する
  10. 今日の自分を記録する

そして、白澤教授は健康寿命を延ばすには、①カロリーコントロール、②運動、③前向きな考え方、の3つが不可欠と言っています。

これなら、脳血管疾患(脳卒中)、認知症、高齢による衰弱、骨折・転倒など様々なことが予防できそうですね。

「運動器」が重要かも

「平成25年国民生活基礎調査」では、介護が必要となった主な原因として、1位が脳血管疾患(脳卒中)、2位が認知症、3位が高齢による衰弱でした。

しかし、少しちがった観点から見てみると興味深いことに気付きます。

それは「運動器」が大きく関係しているかもしれない、ということです。

気管や肺などの「呼吸器」、心臓や血管などの「循環器」、胃や腸などの「消化器」はよく耳にされると思いますが、「運動器」は聞き慣れないでしょう。

「運動器」とは身体運動に関わる、筋肉、腱、靭帯、骨、関節、神経(運動・感覚)、脈管系などの総称です。

どれかひとつでも悪くなると、身体を動かすことが困難になります。

運動器

運動器

出典:https://kcs.joa.or.jp/jp/public/about/locomotorium.html

下記の表は先程の「介護が必要となった主な原因」グラフを表にしたものですが、

黄色い部分の骨折・転倒、関節疾患、脊髄損傷は「運動器」の疾患といえます。

介護が必要となった主な原因 割合
 脳血管疾患(脳卒中) 18%
 認知症 16%
 高齢による衰弱 13%
 骨折・転倒 12%
 関節疾患 11%
 その他 8%
 心疾患(心臓病) 4%
 パーキンソン病 3%
 糖尿病 3%
 悪性新生物(がん) 2%
 呼吸器疾患 2%
 視覚・聴覚障害 2%
 脊髄損傷 2%
 不詳 2%
 わからない 1%

これら、骨折・転倒、関節疾患、脊髄損傷を合計すると25%になり、「運動器」の障害が、介護が必要となった主な原因の1位になります。

介護が必要となった主な原因

介護が必要となった主な原因

骨や筋肉など「運動器」は適度な運動で刺激を与えることで、強く丈夫に維持することができるはずです。

適度な運動をすれば、カロリーコントロールもでき血流も改善され、脳卒中などの疾病も予防することにつながるでしょう。

高齢による衰弱を遅らせたり、免疫力をアップさせて病気を防ぐ効果も期待できます。

50代アラフィフのうちに、健康寿命を延ばせるよう、適度な運動を心がけて習慣にして、少しでも楽しい老後生活をおくれるようにしょうではありませんか。

運動はダイエットにもアンチエイジングにも効果があると思いますから、一石二鳥ですよ。

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