血圧の正常値を調べたら新基準とかややこしい？！人間ドック学会と日本高血圧学会基準とは？

血圧の正常値はどれくらい？

健康診断で血圧が高めだと言われました。

50代ともなればそんな話もでるのかもわかりませんね。

そこで、血圧の正常値はいったいどれくらいなのか？

気になったので調べてみました。

調べてみると、人間ドック学会と健康保険組合連合会が推奨する値と、日本高血圧学会が推奨する値とに少し差があるようです。

もともと日本高血圧学会や世界のガイドラインのいずれも、収縮期140mmHg、拡張期90mmHg以上を高血圧としたいたようなんですが、下のように人間ドック学会が収縮期147mmHg、拡張期94mmHgの新基準を発表したものですから、ちょっとした騒ぎになってしまったようです。

人間ドック学会と健康保険組合連合会が発表した血圧の正常値

もともとの基準値は下記のとおり、収縮期140mmHg、拡張期90mmHg以上から改善が必要としていたようです。

【従来の基準値】

しかし、新基準を下記のとおり収縮期88～147mmHg、拡張期51～94mmHgと発表してしまったんですね。

【従来の基準値と新基準値】

新たな健診の基本検査の基準範囲 日本人間ドック学会と健保連による 150 万人のメガスタディー

ただし、この調査は下記のような条件で、いわゆる健康な人を定義づけて抽出し、人間ドック受診者約150万人から約34万人が選出され、そのうち1~1万5,000人の「超健康人」(スーパーノーマルの人)の値を調べています。

既往歴に悪性腫瘍、慢性肝疾患、慢性腎疾患などの疾患のない者、ない
しは入院歴のない者
ii) 退院後 1 か月以上経過している者
iii)現病歴で下記の事象がない者
・ 薬物の常用（高血圧、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの疾患の
治療のため）
・B 型肝炎あるいは C 型肝炎
iv) BMI 値：25 未満
v) 喫煙なし
vi) 飲酒 1 合/日未満
vii)血圧 130/85 mmHg 未満
なお血圧と BMI は基準個体の条件からそれぞれのしばりを外して解析した。

出典：http://www.ningen-dock.jp/wp/wp-content/uploads/2013/09/%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E7%94%A8PDF%EF%BC%88140409%E5%B7%AE%E3%81%97%E6%9B%BF%E3%81%88%EF%BC%89.pdf

「超健康人」でも、収縮期88～147mmHg、拡張期51～94mmHgのデータが出てしまったもんだから、今までの基準はなんだっだのか？と、ちょっとした騒ぎになったんでしょうね。

そこで、日本医師会と日本医学会がそれについての見解を発表しました。

日本医師会・日本医学会の見解

今回，人間ドック学会・健保連が公表したのは「基準範囲」であり，これは，多く の健常人から得られた検査値を多数集めて，その分布の中央 95%を含む数値範囲を統 計学的に算出したものである．従って，基準範囲は，検査結果を評価する際の物差し となる数値と考えてよいが，疾病の診断，将来の疾病発症の予測，治療の目標などの 目的に使用することは難しい．

出典：http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20140723_1.pdf
日本人間ドック学会および健康保険組合連合会が公表した 「新たな健診の基本検査の基準範囲」 に対する日本医師会・日本医学会の見解について（補足）

つまり、人間ドック学会と健康保険組合連合会のデータはあくまで「基準範囲」であり、「臨床判断値」ではなく、診断や治療に使用するのは難しいということで、落ち着いたようですね。

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日本高血圧学会が推奨する血圧正常値

日本高血圧学会が推奨する数値はやはり、収縮期140mmHg、拡張期90mmHgから高血圧としています。

そして、治療によって血圧を下げる降圧目標を下記のとおり定めています。

【治療による目標血圧値】

高血圧ガイドライン2014 降圧目標

目標値として「診察室血圧」収縮期140/拡張期90mmHg未満、「家庭血圧」収縮期135/拡張期85mmHg未満としています（後期高齢者も様子を見ながら下げられれば）。

糖尿病患者やタンパク尿のある慢性腎臓病疾患者などは、「診察室血圧」収縮期130/拡張期80mmHg未満、「家庭血圧」収縮期125/拡張期75mmHg未満ともっと低めになっていますけどね。

「診察室血圧」というのは、病院や診療所で測ると高くなる傾向があるので、家庭で測る「家庭血圧」と分類されています。

家庭ではリラックスして測定できますが、やはり病院や健診では緊張してしまうからでしょうね。

そういえば私も血圧計を購入して、家で每日測って記録しなさいって先生に言われました。

そちらかといえば、「家庭血圧」のほうが、リラックスして何回も数値が記録され信憑性があって重視される傾向にあるかもわかりませんね。

高血圧治療ガイドライン2014 – 日本高血圧学会

一般向け『高血圧治療ガイドライン』解説冊子 「高血圧の話」

「血圧147」で薬は飲むな

しかし、最近週刊誌なんかを読んでいると、すべての年齢を収縮期140mmHg、拡張期90mmHg以上を高血圧としてしまうのはおかしい、医療業界や薬品業界の陰謀だという説もあります。

年齢が高くなれば血管も固くなって高血圧気味になるのは自然なことで、うなずけるところがあります。

そこでちょっと気になる本がありましたので、購入して読んでみようと思います。

↓東海大学医学部名誉教授の大櫛陽一氏が書いた『「血圧147」で薬は飲むな』という本です。

「血圧147」で薬は飲むな
大櫛陽一教授は、人間ドック学会が発表した「血圧147でも健康」という新健康基準について、「新基準は正しい。それでも血圧147は健康である」と断言し、70万人を対象とした大規模調査をもとに男女別・年齢別のデータが新健康基準と合致すると言っています。

私もできるだけ薬のお世話にはなりたくありませんので、活路を見出すために読んでみようと思います。

購入して読んで理解できたら、また報告しますね。

【追記】

↓『「血圧147」で薬は飲むな』早速読んでみました

血圧の正常値30代・40代・50代・60代・70代年齢別新基準一覧表は腑に落ちた！